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[画像: 村上華子《無題(ニエプスの庭)》 2022年]

「HIRAKU Project Vol.13 村上華子『du desir de voir 写真の誕生』」

ポーラ美術館
終了しました

アーティスト

村上華子
HIRAKU Projectは、ポーラ美術振興財団の若手芸術家への助成を受けた作家を紹介する展覧会シリーズです。第13回目となる今回は、パリを拠点に活動する村上華子をご紹介します。古典的な写真技法を扱い、見ることの根源に立ち返ろうとする村上は、2019年にアルル国際写真祭新人賞にノミネートされるなど、近年特にヨーロッパで注目される気鋭の作家です。

私たちが何かを見るとき、そこには複雑な目の働きがあります。目から入った光が網膜上で焦点を結び像となり、脳がそれを認知的に処理します。網膜に映っては消える、この儚い像の連続こそが「見える」ことであり、それを不変に定着させたいという思いが、人類の歴史において絵画の起源となり、印刷技術を発展させ、写真術を生み出しました。

村上華子は制作の初期から一貫して、網膜に映る像を他者と共有するための技術とその歴史、そして目の代替物として像を焼き付けるもの、その物質性(マテリアリティ)に関心を持ち続けています。ダゲレオタイプのような古典技法による写真、100年前の未開封のガラス乾板に自然発生したイメージをとらえる作品、金属の活版を用いた作品、あるいは詩作や映像作品など、多岐にわたる村上の作品はいずれも、歴史を往来する緻密なリサーチと卓越した言語感覚に支えられています。

今回の展覧会で村上は、現存する世界最古の写真を残したとされる、ニセフォール・ニエプス(1765-1833)の足どりを辿ります。「写真」の発明というニエプスの輝かしい功績の裏側には、当然ながら数え切れないほどの「失敗」が存在しました。本展は、村上がその歴史の陰に寄り添い、ニエプスの言葉を丁寧にひもとき、検証を重ねながら、幾多の失敗を現代に再現しようとする試みです。幼少期からの夢を追い求めたニエプスのまなざしと、作家のまなざし、そして鑑賞者のまなざしが重なり合うとき、私たちの目は何を見るのでしょうか?
新作を中心に構成される本展では、ネオン管を用いた作品をはじめ、村上の新たな展開をご紹介いたします。

スケジュール

2022年9月17日(土)〜2023年1月15日(日)

開館情報

時間
9:0017:00
備考
会期中無休
入場料一般 2200円、大学生・高校生 1700円、中学生以下 無料、障害者手帳提示と付き添い1名 1100円
展覧会URLhttps://www.polamuseum.or.jp/sp/hiraku-project-13/
会場ポーラ美術館
http://www.polamuseum.or.jp/
住所〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
アクセス箱根登山鉄道強羅駅より無料送迎バス、箱根登山鉄道強羅駅より施設廻りバス(温生花園行き)「ポーラ美術館前」下車
電話番号0460-84-2111
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