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石田省三郎 「Integral」

IG Photo Gallery
終了しました

アーティスト

石田省三郎
IG Phto Galleryでは2021年3月9日(火)より石田省三郎展「Integral」を開催いたします。
石田省三郎は2018年に写真集『Radiation Buscape』で写真作家としてデビューしました。東日本大震災で運休になった鉄道の代行バスから、原子力発電所の事故により帰還困難区域となった地域を撮影したこの作品は、人間が暮らすことができなくなった風景を記録することで、やがては歴史の一部となる光景の意味を問うものでした。
石田はその後、東京の交差点の四方向を夜間に撮影し、比較暗合成することで1枚の写真につくりあげたシリーズ「Crossing Ray」(2019)を発表しました。4枚の写真をピクセル単位に分解し、もっとも光量が少ないものを集約することで生まれたイメージは、光あふれる文明都市から光の虚飾を剥ぎ取った「反・夜景」と呼ぶべきものでした。
東日本大震災で事故を起こした福島第一原子力発電所が、首都圏へ送電していたことを思えば、漆黒の都市は電力に依存する都市生活の危うさを想起させるものでもありました。
このたび展示する「Integral」は「Radiation Buscape」「Crossing Ray」と続き、電力と都市、都市と人間の関係を考察することから生まれた作品です。石田は、この作品でブローニー・フィルムを装填したピンホールカメラを使い、東京銀座の交差点を四方向を夜間に撮影。現像したフィルムをスキャニングした画像データ各4点を比較明合成、比較暗合成することで、2点のイメージをつくりだしています。比較明合成は比較暗合成とは反対に、4枚の写真を重ねたときにピクセル単位でもっとも明るいデータを残し合成するというもの。2点は同じ4点を合成して生まれたは双子ともいえるイメージなのです。ただし、片方は光に満ちた祝祭的なもの、もう片方は光を失った廃墟のような都市と、対照的です。
ピンホールカメラはレンズを使わず、極小の針穴を通して像を結び、フィルムにイメージを定着します。レンズを使った写真に比べればシャープではなく、露光にも時間がかかります。石田はピンホールカメラを使い、雫を1滴ずつ集めるように光をとらえることで、光がなくては写らない、写真の原点に立ち返ろうとしています。
光で描いた「光画」は、電力によって彩られた大都市の夜景をどのように描き出すのか。

スケジュール

2021年3月9日(火)〜2021年3月31日(水)

開館情報

休館日
イベントにより異なる
備考
開廊時間 12:00〜20:00、日曜日・月曜日・祝日は休廊
入場料無料
展覧会URLhttps://www.igpg.jp/exhibition/ishida2021a.html
会場IG Photo Gallery
https://www.igpg.jp/
住所〒104-0036 東京都中央区銀座3-13-17 辰中ビル302 石田法律事務所内
アクセス東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅A7出口より徒歩3分
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