本展は、Chim↑Pomのキュレーションによるものです。平井有太は、1975年東京生まれ。ヒップホップとアートに影響を受けて、ニューヨークの School of Visual Arts卒業後、2001年に帰国しました。帰国後、日米のアートシーンと当時の自分の表現に疑問を持ち、美術作家としての活動を停止。以降、「有太マン」名義でのフリーライター業務を活動の軸としました。2012年からは福島県に移住。「人生はアートだ」という自身の芸術的志向性に一貫して、原発事故後の福島県の取材に専念(2012、15、16年「3.11」週刊文春グラビア特集など)しながら、農地の放射線量を測り続けるなど多岐にわたる活動を展開しました。
本展のタイトル「BIOCRACY(ビオクラシー)」は、そんな平井の集大成ともいえる同名の著作(SEEDS出版、2016) からきています。政治家や文化人、活動家から2011年3月11日生まれの子供たちまで、総勢36名にも及ぶインタビューからなる本著は、それらを通し、3.11以降の社会を抜本的に問い直す内容となっています。それを象徴する一言として、「『BIO』とは『生』であり、『‐CRACY』は『支配』や『政治体制』を意味する。つまり『ビオクラシー』は、そのまま訳せば『生命主義』。それは、命より経済を重んじて戦争の原因にもなる資本主義はもちろん、現状の『デモクラシー』=『民主主義』の先にあるものだ。そもそも、人間などは地球上であらゆる生命と共存させていただいているのに、『民』が『主』とは、どれだけおこがましい態度なのか。」と平井は述べています。
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