2001年より制作を始めた「A sense of de_tach_ment」シリーズは、現代の希薄な人間関係が引き起こす疎外感とそれに伴う心理的不安を、徹底的に人間性を排除することによって浮かび上がらせています。密接に肌と肌とが触れ合っているにもかかわらず、そこには本来ヒトが必要とする連帯感は見受けられません。しかし同時に、この肉体がつくりだす醜美な非現実的光景は、理性的な日常という壁が剥がれ落ちるような幻影を映しだし、それは社会に抑圧された我々の感情を静かに刺激します。
今年は第10回岡本太郎現代芸術賞にも入選、更なる活躍が期待される山口理一の日本での初となる個展「A sense of de_tach_ment」を是非ご高覧下さい。なお、2月28日のオープニングには、山口理一の作品テーマの一つである「身体性」のコラボレーションプログラムとして、土方巽の孫弟子であり世界で活躍している舞踏家、金野泰史(こんの やすちか)氏のパフォーマンスイベントを開催します。
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