Shinoda Taro, SF – San Francisco or Science Fiction or How do I Understand the History, 2013, Single channel video, 13’33”

「無題 / Untitled」

MISA SHIN GALLERY
あと7日で開催

アーティスト

篠田太郎、小沢剛、高山明、池添彰、堀川紀夫
MISA SHIN GALLERYは、戦後80年の節目となる2025年の最初の展覧会に、篠田太郎、高山明、小沢剛、池添彰、堀川紀夫によるグループ展「無題/Untitled」を開催いたします。21世紀が四半世紀となる2025年、未だ世界各地で戦争が繰り広げられている状況に、アーティストは戦争や過去の記憶とどう向き合ってきたのか、その表現で何を伝えようとしているのか探ります。

篠田太郎のビデオ作品SF – San Francisco or Science Fiction or How do I Understand the History (2013)は、アメリカの日本占領を正式に終結させたサンフランシスコ講和条約と、アメリカが日本に米軍基地を置くことになった日米安全保障条約が1951年の同じ日に調印された史実に基づき、サンフランシスコの旧軍施設とその周辺、そしてダグラス・マッカーサーが日本占領中に使用していた部屋で撮影されました。日米の歴史的関係を抽象的なアプローチで淡々と写す映像は見る人によって様々な印象や意味を喚起するイメージを作り出します。

ギャラリーの白い壁にあるQRコードにアクセスすると詩の朗読が聴こえてきます。高山明の「戦争画 / ヘテロトピア - 東京国立近代美術館編」は、戦争画の舞台となった国の詩人によって書かれた詩を聞きながら、東京国立近代美術館の収蔵庫にある戦争画を思い描くことで、物理的には目の前にない絵がギャラリーで「展示」される作品です。台湾の原住民族の詩人、ワリス・ノカンの詩「グラン フォン ブラン(素晴らしい白色)」は藤田嗣治の「薫空挺隊敵陣に強行着陸奮戦す」から創作されました。詩の中では戦争画に描かれている台湾人日本兵の1人としてそれを描いた藤田に語りかけます。ワリス本人による原文の中国語での朗読と、アーティスト・小沢剛による日本語訳の朗読を聞くことができます。

小沢剛の「す下降にンバンレパ兵神神兵パレンバンに降下す」は、鶴田吾郎(1890-1969)の戦争記録画《神兵パレンバンに降下す》を元に制作されました。鮮やかなブルーの空を背景に、白い落下傘が無数に舞い降りてくる印象的な絵は、1942年2月14日、オランダに統治されていた現インドネシアのパレンバン油田を、日本帝国陸軍・空挺部隊が、落下傘降下による奇襲作戦で占領した大勝利として描かれています。自分の手で戦争画という近代美術以降最大の闇をたどってみたかったという小沢は、日本軍の勇姿を描いたほとんどの戦争画では、銃口を向けている先になぜか敵が描かれていないことに気づきます。制作した絵は鏡面にすることで、銃口が自分自身に向かいます。つまり他者に向けた銃口は、時間をかけてやがて己に向かってくるのです。

池添彰はニューヨークを拠点に、ドローイング、ペインティング、ビデオ、パフォーマンスなど多様な分野で活動するアーティストです。作家自身と思われる裸体の人物や原始的な植物、実際には存在しない動物など、神話などから題材を得た多くのイメージが、タブローの中で絡み合っています。ヒエロニムス・ボッシュを彷彿とするその細部は、諸相が入り乱れる複雑な世界観に満ち、しばしば不条理な行為の連鎖の中でループし続ける人間の有様を呈しています。

1969 年 アポロ 11 号の月面着陸および月の石の採取に着想を得て始まった「地球の石」を郵便で送るシリーズで知られる堀川紀夫は、反戦の意思表示として1969 年ニクソン大統領、 1970 年に佐藤栄作首相に石を送っています。堀川の石のメールアートは、もの派に代表される石とは対照的に、個人の枠を超えて、歴史や 社会をとりこんだ概念の石として、外界へと雄弁に回路を開いていきます。 本展では、テートモダンのセンチュリー展(2000)に出展時、自分宛に送った石を展示します。

グループ展「無題/Untitled」は、それぞれのアーティストの作品が、重い主題を扱いながらも軽やかに距離や時間を超え、鑑賞者の視点による解釈に委ねることを促します。

スケジュール

2025年1月18日(土)〜2025年2月15日(土)

開館情報

時間
12:0019:00
休館日
月曜日、日曜日、祝日

オープニングパーティー 2025年1月18日(土) 17:00 から 19:00 まで

入場料無料
展覧会URLhttps://www.misashin.com/exhibitions/misashin-groupshow-untitled-jp/
会場MISA SHIN GALLERY
https://www.misashin.com/
住所〒106-0047 東京都港区南麻布3-9-11 パインコーストハイツ 1F
アクセス東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅4番出口より徒歩11分、東京メトロ南北線・都営大江戸線麻布十番駅1番出口より徒歩11分、東京メトロ日比谷線広尾駅1番出口より徒歩11分
電話番号03-6450-2334
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