東京・池袋エリアを拠点に開催される舞台芸術の祭典、フェスティバル/トーキョー19(以下F/T)の全プログラムが発表された。
ジャンルや国を横断した12組のアーティストが8か国の拠点から集結し、東京芸術劇場、あうるすぽっと、シアターグリーン、トランパル大塚ほか、15以上の多彩なプログラムを展開する。
F/Tは、同時代の舞台芸術の魅力を多角的に発信し、社会における芸術の新たな可能性を追究する都市型フェスティバル。
通算12回目の開催となるF/T19は「からだの速度で」をテーマに、2019年10月5日(土)~11月10日(日)までの37日間にわたり、都市でこそ可能な創造と祝祭のかたちを追究する。昨年に引き続き、ディレクターは長島確、共同ディレクターは河合千佳が務める。
オープニングを飾るのは、小劇場をベースに活躍する舞台美術家たちで結成されたコレクティブ「セノ派」による、東京の「まち」と「みち」に着目したプロジェクト『移動祝祭商店街』。豊島区内商店街や大塚駅前の広場で山車のパフォーマンスを行う。
東京芸術劇場では、日本初上陸の欧州演劇界の若き鬼才、マグダ・シュペフトの演出作品や、中国・杭州を拠点に活動するサイケデリック・エレクトロニックグループ「香料SPICE」の初来日公演が見られる。
リソグラフの印刷機と工具を置き、ワークショップやイベントを行うD.I.Yスペース Hand Saw Pressは『ひらけ!ガリ版印刷発信基地』と題し、ZINE作りをできるリソグラフ印刷所をF/T会期中の約1か月間オープンする。
高嶋晋一との「前後」、津田道子との「乳歯」といった美術家とのユニット活動でも記憶に新しい振付家、ダンサーの神村恵は、音楽に髙木生(tnwh/noobtastic)、美術にアーティストユニット「ミルク倉庫+ココナッツ」を迎えた新作を発表する。
アジア全体の状況を取り上げるプログラム「トランスフィールド from アジア」では、フィリピン・マニラを拠点に活動するアーティストのJK・アニコチェと日本の若手建築家の山川陸が、インドネシア・ジョグジャカルタでおなじみの屋台型商店「アンクリンガン」を池袋周辺に出現させるアートプロジェクトの共同クリエイションに挑む。
ほかにもメディア・アーティスト、谷口暁彦の初めての劇場作品『やわらかなあそび』など、多彩なプログラムが予定されている。
F/T19 ラインアップ一覧
・『移動祝祭商店街』 パフォーマンスデザイン:セノ派(舞台美術家コレクティブ)
・『オールウェイズ・カミングホーム(仮)』 演出:マグダ・シュペフト
・香料SPICE『新丛林 ニュー・ジャングル』 コンセプト・演出・出演:香料SPICE
・『ファーム』 演出:キム・ジョン 作:松井周
トランスフィールド from アジア
・『Sand(a)isles』(サンドアイル) 演出・設計:JK・アニコチェ×山川陸
・ファンラオ・ダンスカンパニー『Bamboo Talk』(バンブートーク)『PhuYing』(プニン)
・『To 通 ツー』(ツーツーツー) 企画・出演:オクイ・ララ×滝朝子
・『やわらかなあそび』演出・出演:谷口暁彦
・『NOWHERE OASIS』(ノーウェアオアシス) コンセプト・ディレクション:北澤潤
・Hand Saw Press『ひらけ!ガリ版印刷発信基地』ディレクション:Hand Saw Press
・新作未定 振付・演出:神村恵
・ドキュントメント『Changes』シーズン2 ディレクション:ドキュントメント
・研究開発
・教育普及
■開催概要
名称:フェスティバル/トーキョー19
会期:2019年10月5日(土)〜11月10日(日)
会場:東京芸術劇場、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)、シアターグリーン、トランパル大塚、豊島区内商店街 ほか
プログラム数:主催15プログラム、連携9プログラム
主催:フェスティバル/トーキョー実行委員会
豊島区/公益財団法人としま未来文化財団/NPO法人アートネットワーク・ジャパン、東京芸術祭実行委員会〔豊島区、公益財団法人としま未来文化財団、フェスティバル/トーキョー実行委員会、東京芸術劇場・アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)〕
ウェブサイト:http://www.festival-tokyo.jp
Text: Kyo Yoshida