公開日:2018年6月15日

ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 日本館の展示概要が決定。テーマは「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」

キュレーター・服部浩之によるプラン、美術家・下道基行、作曲家・安野太郎らが参加

2019年5月11日から11月24日にかけてイタリア・ヴェネチアで開催される「第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」。その日本館の展覧会概要が決定した。

(左から)能作文徳、安野太郎、下道基行、服部浩之

キュレーターは、アジアを中心に展覧会、リサーチ、プロジェクトなどを展開し、芸術と公共空間の関係を探求する、インディペンデントキュレーターの服部浩之。
「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」がテーマになる今回の展示では、人間ーー地球上で都市生活の場を拡張し環境にも大きな影響を及ぼしているが、直径約12,700kmという地球の大きさや46億年という長い時間を考えるとちっぽけな存在ーーが、いかに動植物や土地と関わり、生きていくことができるかについて思いを巡らせ、思考する場を提供する。

下道基行《津波石》(2015年~)より

下道基行《新しい石器》(2016年~)より

安野太郎《大霊廟I》岐阜県美術館(2017年)、写真撮影:池田泰教

「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」展示の様子、作成:能作文徳建築設計事務所

鑑賞者が階段を上るたびリコーダーから音が鳴るという
鑑賞者が階段を上るたびリコーダーから音が鳴るという
「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」展示の様子、作成:能作文徳建築設計事務所

本展示の作家には、韓国の光州ビエンナーレ2012や台湾のAsian Art Biennial 2013などグループ展への参加経験が多数ある美術家の下道基行、映像に映ったものを言葉で描写していくパフォーマンス「音楽映画」シリーズや、西洋音楽でも民族音楽でもない音楽「ゾンビ音楽」を代表作とする作曲家の安野太郎、芸術人類学・神話学を専門とし、『野生めぐり 列島神話をめぐる12の旅』など書籍も執筆する石倉敏明、2016年開催のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館展示にて特別表彰を受けた若手建築家の能作文徳らが選出された。

服部は、「一人の作家が国を代表するのではなく、異なった職能をもつ専門家の集団(コレクティブ)によって、現代の根源的課題を想像し思考する体験の場をつくることを試みたい」と本展覧会で日本を表現する意気込みを語る。

なお、本展覧会は2020年春にブリヂストン美術館(現在新築工事中)にて帰国展の開催が予定されている。

■第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展 全体概要
会期:2019年5月11日(土)〜11月24日(日)
会場:ジャルディーニ地区(Giardini di Castello)、アルセナーレ地区(Arsenale)など
総合ディレクター:Ralph Rugoff
総合テーマ:未定
公式ウェブサイト:http://www.labiennale.org

執筆:中井千尋 編集:岡徳之(Livit

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