東京都及び公益財団法人東京都歴史文化財団は、若手の登竜門的公募展である「トーキョーワンダーウォール」の廃止及び、渋谷区神南の「トーキョーワンダーサイト渋谷」をアールブリュットの拠点とすることを発表した。
都が推進してきたトーキョーワンダーサイト(以下、TWS)事業は、これまでトーキョーワンダーウォール(以下、TWW)を始めとした若手アーティストの発掘・育成支援や、国際文化交流を目的としたレジデンス・プログラム等を多数実施してきた。
東京オリンピックが開催される2020年やそれ以降を見据えて、TWS事業の再構築を図るとともに、幅広い現代美術の展開を進め、東京から新しい芸術文化を創造・発信していくために方針を転換する。
「トーキョーワンダーウォール」を廃止し新たな賞を創設
2000年に開始したTWWは、コンテンポラリー・アート・シーンにおける新人発掘のための公募事業として実地され、これまで多くの新人アーティストに作品発表の機会を提供してきた。
近年、民間団体の公募事業が増加するなどTWWは一定の役割を果たしたことから、本年度をもって終了する。
それに伴い、今後は世界で活躍できるアーティストを発掘・育成支援するため、2018年に新たな現代美術の賞を創設する。
トーキョーワンダーサイト渋谷を「アール・ブリュット」の拠点として再整備
2020年に向け、アール・ブリュット(フランスの画家ジャン・デュビュッフェにより提唱された「専門的な美術教育を受けていない人々の独自の発想や方法により生みだされた芸術性に富んだ作品)を更に普及させ、ダイバーシティ社会の実現を着実に推進していくため、TWS渋谷をアール・ブリュットの拠点として再整備する。
2017年秋頃に暫定的にオープンしたのち、2019年のグランドオープンに向けて準備を進めていく予定。
暫定オープンに伴い、TWS渋谷で行っていた事業はTWS本郷に集約し、TWS本郷とTWSレジデンスの2拠点で事業を展開していく。
今春名称変更、ロゴを公募へ
トーキョーワンダーウォール終了を契機とし、トーキョーワンダーサイトの名称が変更になる。
名称変更に伴い、ロゴを新たに作成。若手クリエーターや美大の学生など、若い世代からの公募により選定する。
2017年春に新名称を発表するとともに、ロゴの公募の詳細についてが発表される。
Text: Kyo Yoshida