アップデート:2017年1月11日 GINZA SIXに関わるラグジュアリーメゾン、建築家、アーティストのショートフィルムを追加しました。
銀座エリア最大規模の複合施設「GINZA SIX」(ギンザ シックス)が2017年4月20日に開業する。
場所は、長らく工事中である銀座6丁目中央通り沿いの隣接する2つの街区。地下6階、地上13階の高さを誇る館内には、241のブランドが集積する商業施設や大規模なオフィスが入居する。
さらに、館内各所や中央吹き抜けには常設アートが設置される。森美術館館長の南條史生がアート監修を務め、オープニング展示は草間彌生によるインスタレーションを展開。共用部インテリアデザインはグエナエル・ニコラ、プレミアムラウンジの空間デザインは新素材研究所の杉本博司と榊田倫之が手掛ける。建築は東京国立博物館法隆寺宝物館などを設計した谷口吉生、ロゴマークは原研哉が担当する。
アートギャラリーや文化・交流施設「観世能楽堂」、世界のアートと日本のアートが交差する「銀座 蔦屋書店」なども設けられ、文化面でも時代をリードする。
GINZA SIXは、J.フロント リテイリング株式会社、森ビル株式会社、LVMH(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン)が出資するL Real Estate、住友商事株式会社の4社が共同出資しGINZA SIXリテールマネジメント株式会社を設立。リーシング、サービス・プロモーション、施設管理計画等、商業施設の開業準備業務ならびに開業後の運営業務全般を行う。
「Life At Its Best 最高に満たされた暮らし」をコンセプトに、国内外ブランドのファッションや暮らしを彩るライフスタイル雑貨、こだわりのレストラン・カフェが揃う。
銀座の街の観光案内拠点ともなる1階には、ツーリストサービスセンターや銀座初の観光バス乗降所を整備。地下2階〜6階、13階の一部は241のブランドが集い、そのうち半数以上の122店舗が旗艦店として入居する商業施設エリア。7階〜12階、13階の一部は1フロア貸室面積が都内最大級のオフィスで構成され、地下3階には能楽最大流派「観世流」の拠点「観世能楽堂」、屋上には約4,000平米の屋上庭園「GINZA SIXガーデン」が造られる。
地下鉄銀座駅から連絡通路で直結し、JR有楽町駅からもほど近い好アクセスの立地で銀座の街から新たな価値「New Luxury」を世界にプレゼンテーションする。
銀座の“新しい顔”となる建築は谷口吉生が設計
敷地面積約9,080平米、地下6階、地上13階、建物の高さ56mにもなる建物は、谷口建築設計研究所の谷口吉生が基本設計と外観のデザインを担当し、鹿島建設株式会社と協働し設計を行った。
銀座の中央通り、みゆき通り、交詢社通り、三原通りに面し、銀座の“新しい顔”となる。ファサードは、人々を迎えるのにふさわしい伝統的な日本の形式である「ひさし」と「のれん」をイメージしたデザイン。
「建築は中身を引き立てる器である」という考えのもと、ファサードを含めた建築物はできるだけシンプルに仕立て、そこに咲く「花」であるショップのデザインが際立つように計画されている。それ自体はほとんど装飾のない床の間に、季節に応じて掛け軸や生け花を飾り、四季の移ろいを楽しむ日本伝統のしつらえに通じる考え方から着想を得ている。
谷口はハーバード大学で建築を学び、丹下健三のもとで経験を積んだ。主な作品に「東京都葛西臨海水族園」「東京国立博物館法隆寺宝物館」「ニューヨーク近代美術館(MoMA)」「京都国立博物館平成知新館」などがある。
吹き抜けのアートは森美術館館長の南條史生が監修
GINZA SIX館内各所には、世界的に活躍する注目のアーティストやクリエイターのインスタレーションやアート作品が展示される。特に施設の中心部にある巨大な吹き抜けは、森美術館館長・南條史生の監修による現代アートの巨大な展示空間となる。オープニング展示には、2016年度の文化勲章を受賞したことでも話題となった前衛芸術家・草間彌生によるインスタレーションを展開。
また、館内2カ所にある高さ約12mの壁面には対となる2つのアート作品を展示する。一方は、主なプロジェクトにパリのケ・ブランリ美術館やシドニーのワン・セントラルパーク、金沢21世紀美術館「緑の橋」がある植物学者兼アーティストのパトリック・ブランによる、日本に生息する固有種の植物を織り交ぜたアート作品。もう一方は、プログラミングによって24時間365日変化し続ける映像作品を、ウルトラテクノロジスト集団のチームラボが手掛ける。
プレステージ性を表現したロゴは原研哉のデザイン
銀座の精神性が反映された簡潔で堂々としたロゴタイプを中心とするVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)は、長野オリンピックの開・閉会式プログラムや、愛知万博の公式ポスターを制作した原研哉によるデザイン。
「G SIX」という強い視覚性、幾何学性を持つ文字をミニマルにまとめている。ハイクオリティなブランド、商品、サービスを内包する施設のシンボルとして象徴的に機能する。時を経ても輝きを失わないプレステージ性を携えたロゴタイプは、谷口が設計する建築ファサードや、路面に並ぶハイブランドとの相性まで考えられている。
上質なインテリアデザインはグエナエル・ニコラ
商業施設の共用部インテリアデザインは、キュリオシティ/グエナエル・ニコラが担当。ニコラはインテリア、建築、化粧品、グラフィックデザインまでシームレスに活動し、近年は海外プレステージブランドのストアデザインをワールドワイドに展開。フェンディ パリ モンテーニュアベニュー店やJG ジャン・ジョルジュ東京などのデザインで知られている。
プレミアムラウンジの内装は杉本博司と榊田倫之による新素材研究所
多言語対応のコンシェルジュが常駐する上顧客のための特別なラウンジ「LOUNGE SIX(ラウンジ シックス)」の空間デザインは、新素材研究所の杉本博司と榊田倫之が手掛ける。
日本ならではの伝統的素材に現代的なディティールをほどこした独自のデザインが、新しい日本の美意識を感じられる空間を演出する。
美術の街・銀座で国内外の美術愛好家に向けたギャラリーを展開
大丸松坂屋百貨店がこれまで店内の美術画廊で様々な作品を紹介してきた蓄積をもとに「Artglorieux GALLERY OF TOKYO」(アールグロリュー ギャラリーオブトウキョウ)をオープンする。
世界の巨匠の作品や浮世絵版画、新しい価値を認められているアートフォトの作品まで、幅広いテーマの企画を2週間毎のタームで展開する。ギャラリーの内装は空間デザイナーの鬼木孝一郎が設計する。
アートのための蔦屋書店「銀座 蔦屋書店」
6階の「銀座 蔦屋書店」は、アートのための蔦屋書店。文具・雑貨、CAFÉ、ギャラリー、イベントを通して、アートとともに暮らす生活を提案する。コーヒーを片手にアートブックをひらくBOOK&CAFÉを併設。日本の美意識を軸に古美術とコンテンポラリーアートが融合したギャラリーでは上質な空間と時間を楽しめる。アートオークションや展示、トークイベント等の実施も予定している。
伝統文化の発信拠点となる「観世能楽堂」
地下3階には、能楽最大流派である観世流の拠点「観世能楽堂」(480席、約1,600平米)が出現。日本の伝統文化の発信拠点として、国際的な観光地である銀座を盛り上げていく。また、地域に開かれたホールとしてさまざまなイベントも実施予定。災害発生時には帰宅困難者の一時滞在スペースとしても活用する。
2020年オリンピックに向けて銀座を盛り上げる
歴史と伝統を継承しながら最先端の発信を続ける銀座は、都内でも有数の外国人観光客が数多く訪れる街。また、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの競技場や選手村、IBC/MPCが集中する東京ベイエリアから近く、観光案内の重要な拠点としての役割を期待されている。
それに伴い、インフラの整備計画も大々的に進み、都市機能もますます発展している中でのオープンとなる。
銀座駅から直結し、観光バス乗降所・駐車場・ツーリストサービスセンターを設置することで観光客が訪れやすいよう設計され、従来の百貨店という枠組みから大きく転換するGINZA SIXは、銀座においての最新の文化発信拠点にもなりそうだ。
GINZA SIXのウェブサイトでは、「GINZA SIXの立ち上げに込められた想い」を南條史生や原研哉らが語ったインタビューを読むことができる。
■GINZA SIX 施設概要
所在:東京都中央区銀座六丁目10番1号
スケジュール:2014年4月着工、2017年1月末竣工予定、 2017年4月20日開業予定
敷地面積:約9,080平米
延床面積:約148,700平米
階数:地下6階、地上13階
用途:店舗、事務所、文化・交流施設、地域冷暖房施設、駐車場
フロア構成
地下3階:文化・交流施設「観世能楽堂」
地下2階~6階/13階の一部:商業施設
1階:商業施設、観光拠点「ツーリストサービスセンター/観光バス乗降所」
7階~12階/13階の一部:オフィス
RF:屋上庭園「GINZA SIXガーデン」
総店舗数:241店舗(物販210、飲食24、サービス7)
営業時間
10:30~20:30:物販・サービス
11:00~23:30:飲食 ※一部店舗により異なる
公式ホームページ:http://ginza6.tokyo
Text: Kyo Yoshida