公開日:2016年5月30日

森万里子の新作がリオオリンピックの公式文化プログラムに認定

リオデジャネイロ近郊の滝の上部に恒久設置。森万里子は聖火リレーにも参加!

現代アーティスト、森万里子の作品《Ring: One with Nature(リング・自然とひとつに)》(以下《Ring》)が、ブラジル・リオデジャネイロで開催される、第31回オリンピック競技大会、第15回パラリンピック競技大会(以下、リオオリンピック・パラリンピック)の公式文化プログラムに認定されることが決定した。それを踏まえ、5月24日、駐日ブラジル大使館にて、作家本人による作品説明会が開催された。

《Ring: One with Nature(リング・自然とひとつに)》の小型のエディションを持つ森万里子
《Ring: One with Nature(リング・自然とひとつに)》の小型のエディションを持つ森万里子

説明会では、冒頭の挨拶の中でアンドレ・コヘーア・ド・ラーゴ駐日ブラジル大使が、森とブラジルの関係について、「2002年のサンパウロ・ビエンナーレへの出展」や「2011年にブラジルのリオデジャネイロで開催した個展の来場者数が53万人を越え、その年の世界ランキング1位になるという大成功をおさめたこと」、「大使自身も過去に展覧会を観て熱烈なファンになった」というエピソードを紹介。また、自然を崇敬する今回の作品《Ring》は、ブラジルの豊な自然と融和しリオオリンピック・パラリンピックを象徴するアートワークになるだろうというメッセージを伝え、作品に対する期待を寄せた。

《Ring》は、ニューヨークの公益財団Faou Foundationが手掛けるプロジェクト、“自然と人間の融和”をコンセプトに6つの大陸に作品が設置される「サイトスペシフィックアートワークシリーズ」の中の一つで、その2番目となる作品。ブラジル・リオデジャネイロ州マンガラチバのムリキにある「the Véu da Noiva (花嫁のベール)」と呼ばれる、約58mの高さの滝の上に恒久展示される。作品は、直径3メートル。2本の支柱で支えられるが、下からはまるで浮遊するように見える。また、時間の経過により太陽が照らす角度が変わることで、ブルーからゴールドへと異なる輝きを見せる。

森は、「オリンピックの五輪のマークは、すべての国家、すべての⺠族を象徴し、世界平和を願うシンボルです。今回の作品は、象徴的な意味として、また、その存在として、人類と自然の調和のシンボルとなり、オリンピックの五輪にもうひとつの新しい輪を付け加えます。この作品《Ring》は、「Oneness」、つまり自然と一つになる和、そしてEternity(永遠性)とCompleteness(完全さ)を象徴しています」とコメント。また本作品は、リオデジャネイロ州の環境技術研究所(INEA)に寄贈される。

8月5日に開幕をむかえるオリンピックに先駆け、8月2日にはリオデジャネイロに恒久展示となる作品の完成披露を予定しているほか、8月4日または5日には、森万里子の聖火リレー参加が決定している。説明会の最後には、「森さんが聖火ランナーに選ばれとても嬉しい。聖火ランがうまくいくことを応援していますし、今回このような作品を作っていただいたことに感謝している」と、エールが送られた。

the Véu da Noiva (花嫁のベール)の滝に設置される《Ring: One with Nature(リング・自然とひとつに)》の作品完成イメージCG

■作品詳細
作品名: 《Ring: One with Nature(リング・自然とひとつに)》
設置場所: the Véu da Noiva(花嫁のベール)(リオデジャネイロ州マンガラチバ、ムリキ)

■Faou Foundationによるプロジェクト第一弾
Faou Foundationのプロジェクトの第一弾として「Primal Ryhthim」が沖縄県・宮古島にて進行中。「Sun Pillar(太陽柱)」と「Moon Stone(ムーンストーン)」の2つの彫刻作品から成る作品。2011年に宮古島の北部、七光湾にてその一つ目の彫刻作品「Sun Pillar」が設置され、対になる作品「Moon Stone」が、東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年に完成予定。

執筆: 中井千尋 編集:岡徳之

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