5月11日(水)よりフランスのフォンダシオン ルイ・ヴィトンにて、ダニエル・ビュレンによる期間限定のアート作品「Observatory of Light(光の観測所)」が展示されている。フランク・ゲーリーによるフォンダシオン ルイ・ヴィトンの建築物を象徴する、ガラスの帆全体を覆うように設置される大規模な作品だ。
この作品は、3600枚のガラスで構成された12枚の帆を、赤・青・緑などのフィルターで覆うもの。白と透明のストライプが入ったパネルも等間隔で配置され、計13色の色彩が現れたり消えたりと、一日や季節の移ろいに合わせて色彩のフォルムを変えていく。
ダニエル・ビュレンは、1960年代以降、白と色付きの縦のストライプ柄による独自のビジュアルツールを駆使し、ラディカルなアート作品を制作し続けてきた人物。美術館やギャラリー、パブリックスペースなど、場所が持つ空間やコンテクストなどの特徴をもとに制作している。また、この展示に併せてダニエル・ビュレン自身がデザインした作品群のカタログも出版される。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンのプレジデントであるベルナール・アルノーは、「ダニエル・ビュレンは、フランク・ゲーリーと彼が設計した建築物と深い対話と繰り返し、的確で魅力に満ちた壮大なプロジェクトをデザインしました。彼の作品はフォンダシオンの建築物に見事に呼応したもので、1970年代に始まった色彩、透明性、光を組み合わせた独自のアプローチを継承しています」と語る。
フォンダシオン ルイ・ヴィトンでは、この展示と並行して「3 times a Hut」と題したオリジナルパフォーマンスや、ダニエル・ビュレンの作品を楽しむ子どものためのワークショプも開催予定とのこと。
http://www.fondationlouisvuitton.fr/ja.html
(Text: 玉田光史郎 Koushiro Tamada)