来春、大分県に新たな美術館が設立される。名称は大分県立美術館(OPAM)。開館は2015年4月24日(金)を予定している。OPAMはOita Prefectural Art Museumの頭文字を並べた略称となる。
館長を務めるのは、武蔵野美術大学の教授であり、フリーランスのキュレーター、ミュージアム&アート・コンサルタントとしても活躍する新見隆(にいみ・りゅう)。新見は、セゾン美術館(旧西武美術館)の学芸員として多数の展覧会を開催してきた実績を持つ。
同館の建築は、2014年6月に建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞を受賞し、同年7月には福島県相馬市の「LVMH子どもアート・メゾン」の設計も担当した坂茂(ばん・しげる)が手がける。今回のデザインにおいては、大分県の伝統工芸である竹工芸をモチーフに採用したという。また、同館のシンボルマークはコミュニケーションデザイン研究所(CDL)の平野敬子(ひらの・けいこ)と工藤青石(くどう・あおし)が担当。
同館には県立美術会館が37年間にわたって収集してきた約5000点の作品・資料をコレクションとして収められる。その内容は、大分の「豊後南画」の代表である田能村竹田の作品を始め、近代日本画、洋画、工芸、彫刻・立体作品など多岐にわたる。
OPAMが掲げるコンセプトは「出会いと五感のミュージアム」。豊かな自然の中で異文化を積極的に受け入れてきた大分独自の風土を生かし、フレキシブルで可変性に富み、変化と成長を続ける美術館を目指す。
Text: 玉田光史郎 (Koushiro Tamada)