公開日:2014年10月2日

10周年記念アンケート結果発表! – 前編 ライフスタイルを変えたアートとは?

それぞれのアートの楽しみ方を覗いてみよう!

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私たちの身の周りには沢山のアートが溢れています。展覧会で展示されたり、雑誌で紹介されたり、街角で見かけることも。ではアートイベントに興味を持っている方々はどのようなライフスタイルを送っているのでしょう?皆さん自身のライフスタイルはアートとどのような関係性を持っていますか?

Tokyo Art Beat は「アートイベントとライフスタイルの関係性」を調査するために、2014年8月4日から8月末日まで、アンケート調査を行いました。その結果、221名(うち男性66名、女性155名)の方々から回答を頂きました!お忙しい中、ご協力ありがとうございました!
このデータを集計・分析した結果を、TABlogで2回に渡ってお伝えします。

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忙しいからこそ…仕事の休みにアートを楽しむ女性が多い?

Tokyo Art Beatのアンケートに回答してくれた方々は一体どんな人達で、どうライフスタイルにアートが関わっているのでしょうか?まずは結果を見てみましょう!

アートイベントに興味を持つのは若い世代が多いのでは?という印象を持っていましたが、今回のアンケートの回答者の約半数が30〜40代の会社員・自営業などといった、職業に就いている方でした。特に女性のうち60%は働いている方でした。働く女性でアートイベントを鑑賞する方も多いようです。では若い世代はどうでしょう?20代でこのアンケートに回答してくれた方は約30%でした。特に20代前半の学生さんは全体で約2割、つまり5人に1人。やはり学生でもアートに興味を持っている方も沢山いるようです。

ではみなさんはどれくらいの頻度でアートイベントに訪れているのでしょう?
Tokyo Art Beatのサービスを週1回以上利用している方は何と約50%という、2人に1人の確率でした!しかし、実際に美術館・ギャラリーに訪れている頻度は月に1回程度の方が1番でした(34%)。会社員はもちろん、学生も授業等で中々時間が取れない。忙しいからこそ、休みの日に行けるアートをチェックしたい、今あるアートイベントを少しでも知っておきたい、こうした目的でTokyo Art Beatを利用している方も多いようです。

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あなたはアナログ派?デジタル派?

回答者のほとんどの方はスマートフォン利用者でした!特にiPhoneの利用者が多かったです。そして行きたいアートイベントの情報を知る為にアート系ウェブサイト・美術館ホームページを利用しているようです(79%)。アート好きな方にはアートイベントの情報が一括して見られるウェブサイトは欠かせないものですね。

中でも目を引いたのがTwitterでした。行きたいアートイベントは2人に1人がTwitterのつぶやきで知る事が多いという回答を頂きました。また、アートイベントに訪れた感想をTwitterから共有する回答者も1番の30%でした。やはり「見つけやすい」「共有しやすい」Twitterは大活躍。授業、仕事など…忙しくてなかなかアートイベントを調べる時間がないからこそ、簡単に情報を得られるTwitterは便利ですね。

一方でフリーペーパーやチラシ、交通広告でアートイベントを知る回答者も50%!やはりインターネットでは出会えなかったアートイベントの情報を、こうしたアナログのメディアなどを通して知る方も少なくないようです。
更に面白い事に、街中で偶然アートに出会ったとき(パブリック・アート、ポスター、銅像、等)にアートに親しみを感じると回答した方が半数近くいました。画面越しではなく、直接発見するアートはより私たちにアートを身近に感じさせるものであり、また多くの方がこうした出会い方を大事にしているようです。


アートとの出会いがライフスタイルを変えてくれた?

それではどのような出会いがアートにあるのでしょうか?こんな体験談を頂きました!(内容は一部編集したものもございますのでご了承ください。)

■「2009年あたりに横浜美術館で行われた束芋さんの『断面の世代』展へ知人に連れて行ってもらいました。現代アートにそれまでまったく興味がなかったのですが、それから大好きになり、ひとりでアートイベントやアートを巡る旅にいくようになりました。」(女性/30代/会社員・公務員)

豊島美術館
豊島美術館
写真: 鈴木研一
■「ベネッセアートサイト直島ができた当初に訪問したときは衝撃でした。国内でも旅xアートがこんなに楽しめるものとは! その後、新潟の越後妻有アートトリエンナーレにも行き、『光の館』にも泊まり味を占め、旅先では必ず美術館を訪れるように。都内でも美術館やギャラリーを訪れるだけで非日常を味わえるし、素敵なものに出会えるので大好きです。」(女性/30代/会社員・公務員)

訪れた美術館は違うとしても、アートに心を打たれてアートイベントによく行くようになったという回答がありました。
興味がある、行った時の感動がすごかった!という美術館は豊島美術館、金沢21世紀美術館が多かったです。休みの日にせっかくだから遠出をしてみたいという気持ちは皆一緒ですね。

■「府中市美術館の『かわいい江戸絵画』展。正直、日本美術は退屈に思うことが多かったが、そういう視点もあるのかと新鮮だった。」(男性/40代/会社員・公務員)

今まで持っていたアートのメディアに対するイメージが変わったという声も。訪れてみたからこそ、そう感じる事ができ、またアートの違う視点を見れるのは素敵な思い出です。

杉本博司「観念の形」シリーズ 
2004-2005年
「杉本博司: 時間の終わり」展示風景
写真: 渡邉修 写真提供: 森美術館そしてこんな体験談も頂きました!

■「2005〜2006年に森美術館で行われた『杉本博司: 時間の終わり』展。当時高校一年生であまり作品展に行ったことがありませんでしたが、今まで観た中で群を抜いて完成度が高くてミニマルで素敵で、あまりにも衝撃的でそこから写真の道に入りました。」(女性/20代/会社員・公務員)

何と杉本博司さんの写真展に衝撃を受けてそのまま写真の道に進んだ方も!
運命的な出会いを感じますね。


アートとの出会い方は人それぞれ。しかし、アートが私たちに何らかの影響を与え、その後のライフスタイルでアートと関わっていきたいと思った人、実際に自身のライフスタイルが大きく変化した人もいる。アートが私たちにもたらしてくれる影響は、改めて計り知れないものです。
しかしこうした出会いは直接アートに触れて初めて得るもの。空いた時間に気軽に訪れたいと思うような美術館があるといいのかもしれません。

後編は皆さんから頂いた「忘れられない思い出・体験談」を紹介します!お楽しみに!

[TABインターン] 池上千尋: 歴史学専攻中の大学3年生。高校の頃訪れた画廊から「現代アート」に興味を持つようになる。美術館に置いてあるチラシを集めるのが趣味。ダンスが大好き。

TABインターン

TABインターン

学生からキャリアのある人まで、TABの理念に触発されて多くの人達が参加しています。3名からなるチームを4ヶ月毎に結成、TABの中核といえる膨大なアート情報を相手に日々奮闘中! 業務の傍ら、「課外活動」として各々のプロジェクトにも取り組んでいます。そのほんの一部を、TABlogでも発信していきます。