公開日:2015年4月24日

「磯崎新 都市ソラリス」

新たな都市像を考えるプロセスとしての場

12月14日からICCで開催されている、「磯崎新 都市ソラリス」の内覧会に行ってきました。本展は、構成も期間*も三つに分かれ、展示の一部が複数の参加者によって変化していくワーク・イン・プログレス形式をとっているのが特徴的です。磯崎新氏は1997年のICCオープニング企画展「海市――もうひとつのユートピア」を監修しており、16年ぶり二度目のICCでの監修展示となります。
*第一期:12月14日(土)~1月13日(月・祝)、第二期:1月15日(水)~2月8日(土)、第三期:2月11日(火・祝)~3月2日(日)

手前:鄭東新区龍湖地区副CBD 1/200模型
奥:ダブルネガティヴスアーキテクチャー(dNA)によるインスタレーション
《理解(そして私たちは立ち尽くしている)》(2013)

展示構成は、1.都市デザイナー磯崎氏の過去から現在までの都市計画に関する資料の展示、2.黒川紀章氏から引き継ぎ、現在も進行中の中国河南省鄭州市鄭東新区の都市計画のうち、その北部にある龍湖地区に建設される副CBDの模型とその模型を舞台に行われるインスタレーション、3.鄭東新区を舞台に行われる都市ワークショップに分かれています。

村井修撮影による《空中都市》(1960)
村井修撮影による《空中都市》(1960)
上「日本万国博覧会 お祭り広場 演出システムダイアグラム」
下「日本万国博覧会 お祭り広場 演出スコアダイアグラム」

左:《東京都新都庁舎》模型
中:《コンピュータ・エイデッド・シティ》模型

《海市》
《海市》


インスタレーションとワークショップに関しては期間毎に参加者が変わっていきます。現在のインスタレーションは、ダブルネガティヴスアーキテクチャー(dNA)、ワークショップは東京藝術大学 芸術情報センター砂山太一、永田康祐の作品が展示されていますが、今後のインスタレーションは平川紀道、高山明、ライゾマティクス、ワークショップはhclab.、慶應義塾大学環境情報学部松川昌平+松川研究室と様々な方が参加予定で、同一の展示内で変化を楽しめます。

東京藝術大学 芸術情報センター
砂山太一、永田康祐によるワークショップ《i saw a girl with a telescope.》(2013)

来場者も舞台上でオブジェを動かし、ワークショップに参加できる。

また、会期中には参加したアーティストによるプレゼンテーションや磯崎氏とゲストによるトークセッションやパフォーマンスなど関連イベントも頻繁に行われる予定です。内覧会後、磯崎氏は「この展覧会は、完成された作品を展示するものではなく、プロセスを作品と見てもらえるとよい。」と話されていました。展覧会チケットは会期中何度でも再入場可能なので(但し、本人に限ります。)、繰り返し足を運んで展示の変化=プロセスを捉えていくも良し、気になるアーティストや建築家の作品や関連イベントに参加するのも良し。この展覧会をこれからの都市像について考える機会としてみてはいかがでしょうか。

※本展は、美術館・アートイベントの割引券アプリ「ミューぽん」に掲載されています。

[TABインターン]
安田七海:東京都出身。大学院卒業後、就職したもののその後紆余曲折を経て来年から法律を学ぶ予定。アートは未知なる世界への入口と捉え、TABを活用して様々な展示へ足を運ぶ。趣味は他に読書・散歩・食。

TABインターン

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学生からキャリアのある人まで、TABの理念に触発されて多くの人達が参加しています。3名からなるチームを4ヶ月毎に結成、TABの中核といえる膨大なアート情報を相手に日々奮闘中! 業務の傍ら、「課外活動」として各々のプロジェクトにも取り組んでいます。そのほんの一部を、TABlogでも発信していきます。