公開日:2013年4月16日

パチンコ店上層階の空室に「アーティスト・イン・レジデンス」誕生 〜千葉・松戸市

【Art Beat News】滞在アーティストは家賃の代わりに「芸」でお返しも。

千葉・松戸駅前にて、周辺地域のまちづくり事業に取り組む「松戸まちづくり会議」は松戸駅西口から徒歩2分にあるパチンコスロット店「楽園」の上層階に位置する空室を利活用し、国際的なアーティスト・イン・レジデンス(滞在型の芸術家向け作品制作施設)の運営を始める。低層階の店舗名を活かし「パラダイスAIR(AIR=アーティスト・イン・レジデンスの略)」と命名し、2013年6月からのスタートを予定する。

「パラダイスAIR」の物件外観
「パラダイスAIR」の物件外観

このレジデンスは、ビルオーナーである浜友観光株式会社の協力のもと、株式会社まちづクリエイティブがフロア単位でのサブリースを行い運営管理を担当し、当該フロアの2部屋を地域活性のため松会に提供することで実現した。地域団体と民間企業の創意工夫により、自治体補助がなくとも持続可能な芸術家支援施設になることを目指して活動するという。

企画する事業プログラムは、数日間の短期滞在を受け入れる「ショートステイ」と、2ヶ月間程度の長期滞在型を想定する「ロングステイ」の2つ。宿場町である松戸宿の歴史伝統を踏まえ「一宿一芸」なる運営コンセプトを定めており、ショートステイでは数日間無償で滞在できる代わりに、滞在中に松戸駅前エリアにてパフォーマンスや作品上映会などの「芸」で滞在アーティストは地域に返報する。地方と都内を行き来しながら活動する、日本国内の若手アーティスト・文化芸術関係者の利用を主に見込んでいる。

ロングステイは、海外のアーティストを招聘または公募して日本に招待。約2ヶ月間、松戸で生活をしながら作品制作をしてもらう。この物件は元ラブホテル跡地であり、防音性に優れている点などを最大限に活かした施設。パチンコもラブホテルも、いずれも日本独自の文化であり、海外の芸術家などからの興味関心が高いことでも知られていることから、小規模ながらも海外から注目されることが期待されるという。

■パラダイスAIR 運営概要
名称 パラダイスAIR(ぱらだいすえあー)
住所 千葉県松戸市本町15-4(JR/新京成 松戸駅西口 徒歩3分)
規模 2室(平均39平米)
時期 2013年6月30日~
運営 松戸まちづくり会議
ディレクション 中島佑太、森純平
コーディネート 庄子渉
企画 株式会社まちづクリエイティブ
協力 浜友観光株式会社

■関連リンク
松戸まちづくり会議
まちづクリエイティブ

執筆:岡徳之(Noriyuki Oka Tokyo

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