建築界のノーベル賞と名高い米プリツカー賞において、日本を代表する建築家、伊東豊雄の受賞が3月17日付で発表された。
日本人の受賞は故・丹下健三(1987)、槇文彦(1993)、安藤忠雄(1995)、SANAAの妹島和世&西沢立衛(2010)に続き6人目となる。せんだいメディアテークやTOD’S表参道、ミキモト銀座2などの斬新な構造を用いた作品をはじめ、みなとみらい線の元町中華街駅や多摩美術大学図書館など多彩な建築設計で日本の建築界を革新してきた伊東氏。過去には高松宮殿下記念世界文化賞、RIBAゴールドメダルなどを受賞している。
東日本大震災後はすぐさま被災地へ建築家仲間と共に赴き、復興支援の集会所「みんなの家」の建設へ積極的に取り組んできた。昨年には同プロジェクトが評価を受け、ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の金獅子賞を受賞。現在、3月23日(金)まで乃木坂のギャラリー・間にて、「ここに、建築は、可能か 第13回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展 日本館帰国展」が開催中だ。本展では、ヴェネチアでの日本館展示を再構成するとともに、陸前高田の「みんなの家」完成後の姿を紹介している。百数十個に及ぶスタディ模型や図面、記録映像などのドキュメントや、陸前高田市出身の写真家、畠山直哉氏が撮影した、震災前・震災直後・現在の写真が展開されている。
Text: Arina Tsukada