都内各所で配布しているTokyo Art Map。2011年5-6月号の表紙を飾ってくださったのは、アートブロガーの Seina さんとまさくん親子です。
今回の撮影とインタビューの舞台となったのは、清澄白河にあるギャラリー hiromiyoshii にて開催された「部分と全体-東アジア現代アートの今」展(会期終了)。
アートコレクター 宮津大輔さんのキュレーションによる展示の様子とあわせて、お二人へのインタビューをお届けします。
▼ 普段どんなものを見に行くことが多いですか?
まさくん: おれは、ひもに吊るしてあった皮で作った魚とか。
Seinaさん: 多分、先日見た富田菜摘 さんの作品のことを言ってるんだと思います。(笑)彼女の展示を見たギャラリー東京ユマニテ の展示のことかな。コンテンポラリー全般、または日本美術が多いかな。
私は、コンテンポラリーアートか、江戸時代以前くらいの古美術が好きです。今こそ古美術は必要だと思います。やはり度重なる震災や度重なる苦難を乗り越えて現在ここにある大先輩の存在を知ることによって、日本人として自信を回復できるような気がします。
Seinaさん: まず、何かあったときのために、あまり混んでいないことです。あとは親子でどう見るかという概念はなるべくもたないようにすることです。一緒に行くこの人(まさくん)を子供扱いにはしないようにする。そうじゃないと、多分これだけ一緒に見てくれなかったと思います。
▼ 見に行く展覧会を選ぶためのツールは何を使ってますか?
Seinaさん: Tokyo Art Beat さん使ってますよ! あとは……
やっぱり本か、アートスペースの方からいただくメールが多いですね。
▼ お気に入りのギャラリー、美術館を教えてください。
まさくん: えーっと、さっき言ったところ。
Seinaさん: ギャラリー東京ユマニテさんでしょ? それから ギャラリーMoMo さんですね。この二つは、この人がギャラリーでの作品の見方を教えてもらったところでもあり、私たちがギャラリーで作品を楽しめるように導いてくれたギャラリーなのです。
Seinaさん: おもしろかったのは、瀬戸内国際芸術祭です。美術家の椿昇先生をはじめたくさんの方に情報を頂いたり、助けて頂けたおかげで混雑で列に並ぶことも島に積み残されることもほとんどなくすみました。最高に楽しい体験になりました。
あと、この前見た出光美術館 (「酒井抱一生誕250年 琳派芸術 -光悦・宗達から江戸琳派-」、2011年1月8日~3月21日) は最高によかったです。淋派は大好きなので。この人は昔、狩野派が嫌いで淋派が好きと言っていたんです。狩野派が嫌いな理由は、なんか考えてることが怖そうだから、と。確かに狩野派は長谷川派との権力闘争とともに芸術が成長してきたところありますもんね。淋派は、「イエーイやっちゃえー」みたいな感じがある。銀屏風がいかに美しいかっていう話で二人で盛り上がりました。
Seinaさん: 楽しみにしてるのは写楽展(東京国立博物館、2011年05月01日 ~ 2011年06月12日)かな。それから今年は海外遠征を狙っていて、今のところドイツで、きちんとしたコンテンポラリーをちゃんと見たいなとも考えています。
東京で開催される展覧会だと、東京都現代美術館の「名和晃平―シンセシス」展が楽しみです。名和さんにはもう会ったことがあって、公開制作で一緒に絵具の調合などをさせてもらったことがあるんです。名和さんと関係者の方々と一緒に、3時間ぐらい一緒に遊ばせてもらいました。
▼ お子さんをおもちのSeinaさんにとって、こんなイベントがあったらいいなと思うものはありますか?
Seinaさん: 親子向けに国際的なアート交流みたいなものがあるといいですね。外国人の親子と日本人の親子が入り乱れて美術館で鑑賞してみたいです。終わった後おやつ食べながらみんなで身振り手振りで感想を伝え合うとか楽しそうです。規模は大きくなくて全然いいので、実際に会って、アートを通じてコミュニケーションが始まるような場があるといいなと思います。
Seinaさん、まさくん、どうもありがとうございました!
Seinaさんのブログ: 子連れアート鑑賞日記
[TABインターン] 富田さよ:東京出身。一般企業勤務後、大自然と大都会という環境の異なる二つのアートセンターのアシスタントを経てTABインターンに参加。