「新しいムサビの図書館がすごいらしい」という声をよく聞くのですが、一般個人へは公開されていないため、なかなか足を運べないので実態がわからないのも事実。
そこで、TABインターンのムサビ生が、この話題の図書館のレポートをお届けします!
2010年6月にオープンした武蔵野美術大学新図書館は、藤本壮介さんが設計されています。
藤本さんが「すべての<外>を内化し、すべての<内>を外化する渦巻き」「本の森」とも表現したこの図書館は、外観だけでなく室内もぎっしりと本棚が並べられています。美術系の専門書の充実ぶりは、日本でも随一なのではないでしょうか。
そしてこの図書館、室内設計や本の充実度だけではなく、本の設置場所のジャンルを表記する数字のデザインを佐藤卓さんが担当されています。
また、有名なデザイナーによる椅子がところどころに設置されていたりなど、美大生にとってはうれしい工夫が随所に溢れています。もちろん、その椅子に座って本を読む、なんてこともできますよ。
そして今回特にご紹介したいのが、こちらのタッチパネルのついた情報検索端末。
この図書館にある本にはすべてICタグが付いているのですが、このタッチパネルに本をかざすと、さまざまな関連情報をみることができます。
試しに、ゴッホとゴーギャンに関する本をタッチパネルにかざしてみましょう。
その本に関連したおすすめ図書や、同じ著者による他の書籍、同じテーマの人気図書などが表示されました。
そこからさらに気になる他の図書のサムネイルにタッチすると…
その本に関連したその他の図書をどんどん開いて見ていくことができます。
さらにこのタッチパネルのすごいところは、関連図書だけでなく関連イベントも表記されること。
試しに「ファッションから名画を読む」という図書から関連イベントをタッチしてみると、「ファッション」に関連したさまざまなイベント情報が出てきます。
そしてこちらのイベント情報の画面をみてみると、右下に見慣れたロゴが……!
そう、この関連イベントはTokyo Art Beatが一般公開しているAPIデータを利用して表示されるようになっているのです。
例えば、建築系の本をかざしたときには、関連イベントとして図書館設計者の藤本壮介さんのイベント情報が表示されましたよ。
もちろん気になった本の配架場所を確認できますし、紀伊国屋書店のオンライン販売サイト BookWeb に携帯電話を使ってQRコードでアクセスして、その場ですぐ本を注文することもできるんです。
自分が気になった本からどんどん新しい本やイベント情報につなげることができるこのタッチパネル、利用する学生の立場としても、ぜひ活用していきたいですね。
そして、この図書館は一般の方でも団体であれば、見学が可能です。(1週間以上前に要申請)
ぜひ、武蔵野美術大学の学内展示と一緒に図書館へも足を運んでみてはいかがでしょうか。
[執筆者]
山崎智佳:岡山生まれ、岡山育ち。上京して武蔵野美術大学でデザインを学ぶ傍ら、アートマネジメントの授業を機に日本でのアートの在り方についても興味を持つ。最近では現代アートから得られる新しい発見や感動に夢中。学んでいるデザインとうまく繋げることで、もっとたくさんの人にこの発見や感動を伝えられないか、日々模索中。