「海の日」である7月19日にオープニングを迎え、既に30万人以上が訪れているという「瀬戸内国際芸術祭」。7つの島々と高松港を主な舞台とする世界でも珍しい試みに注目が集まっています。
私はオープニングにかかる2日間と、9月頭に夏休みを活用して5日間を使い、その周辺で展開されているプロジェクトや観光も合わせて楽しんできました。穏やかで美しい海や島々の風景、その魅力をさらに引き出す作品の数々、合わせてめぐることのできる観光資源の豊かさなど、実に見どころが多く、夏休み気分を満喫しながらアートを楽しむには絶好の機会でした。
この9月3連休や、暑さがやわらぐ10月に入ってから訪れようとしている方も多いことでしょう。個人的なおすすめポイントやちょっとした鑑賞ノウハウ(?)を織り交ぜながらのレポートをお届けします!
【瀬戸内国際芸術祭2010】
[会期] 2010年7月19日(海の日)-10月31日
[会場] 高松港周辺,直島,豊島,女木島,男木島,大島,小豆島,犬島
[主催] 瀬戸内国際芸術祭実行委員会
[会長] 浜田恵造(香川県知事)
[総合プロデューサー] 福武總一郎(財団法人直島福武美術館財団理事長)
[総合ディレクター] 北川フラム(アートディレクター)
[URL] http://setouchi-artfest.jp/
●高松港周辺
その他、高松市内各所では椿昇により多数の地元団体と協力して展開されている「高松うみあかりプロジェクト」の展示などを見ることが出来ます。
高松市美術館では、連携企画として青木陵子や石田尚志らが参加する「高松コンテンポラリーアート・アニュアルVol.01」が9/18~10/24の間、開催されますので合わせて訪れてみたいところです。
ちなみに私は、高松市美術館で森村泰昌展(7/17~9/5)、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で「SickeTel-キュピキュピと石橋義正-」展(7/18~11/3)、それからイサムノグチ庭園美術館(要事前葉書申込、火・木・土のみの定員ツアー式)へ合わせて足を運んできました。
●小豆島
●直島
島内では多くの方が町営バスとシャトルバスで移動されると思いますが、少し奮発してベネッセハウスに宿泊すると、宿泊者専用シャトルも利用することが出来て快適です。あるいは先のレンタルバイクを利用(直島は意外にアップダウンがあります)。
食事処は本村エリアが充実していますが、アートスポット同様に混雑しますし、普段の少ない人数のまま営業しているお店もあるので、時間には余裕を持っておいたほうがよいと思います。
[おすすめ食事処]
・茶寮おおみやけ:文化庁の登録文化財となっている趣きある建物を改修。
・カフェまるや:いしかわかずはるさんの展示が予定されています(10/1-10/31)。
・ニューおりんぴあ:海鮮が楽しめる居酒屋です。定食もあり。
・焼肉へんこつ苑:大人数でも大丈夫!大竹伸朗さんも通っていたお店。
・海の駅なおしま内「Cafe Ougiya」:スピードと安さ勝負ならこちらに即決です。
●豊島
●女木島
女木島と合わせて訪れたい男木島には、残念ながらまだ足を運べていません…
●犬島
7つの島のうち、実は犬島だけが岡山県です。高松側から島々にアクセスした方も、岡山県に抜けて大原美術館や奈義町現代美術館といったアートスポットへ足を延ばしてみるのもいいかもしれません。
私は、アーティストの三宅航太郎、蛇谷りえさんらにより運営されている滞在型のアートスペース「kajico(かじこ)」へ足をのばし、ついでにトークイベントを開催してきました。イベントを企画(持込む)と、宿泊料が安くなるという不思議なシステムなのです。
島に根ざし長く続いている直島の活動と芸術祭の盛り上がりにより目が離せなくなってきた瀬戸内海界隈。今後どのように展開されて行くのか見守っていきたいと思います。
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[来場にあたって]
・これまでに類を見ない試みであるだけに、緊急情報や変更事項も多いようです。最新情報を公式ウェブサイトやかがわ瀬戸内アートナビ、それぞれのTwitterアカウントなどでチェックしましょう。
・直島、犬島、豊島関係の一部高速旅客船への乗船のために、9/17より整理券が発行されているようです。早めの確保に務めましょう。(混雑時は立ち乗りも可能な「フェリー」の方が大人数対応をしています)
・島々での7つの心得も必読です。
Makoto Hashimoto
Makoto Hashimoto