フォトレポート前編 で紹介しきれなかった作品をギャラリーごとにご紹介します。地下展示会場では、いくつかの出展ギャラリーから大型作品を中心に展示されていました。
地下会場に向かう前にギャラリーで作家の平良美樹ご本人から、地下に大作があると聞かされて行ってみると本当に大きな立体作品がありました。今回「狐女房」という話をテーマに制作に取り組んだ彼女。横から見るとこれがまた、尻尾が生えたかわいらしいお尻をしていて、女狐であることがわかります。ドレスには、彼女によって文字がぎっしりと一面に記されています。
アラタニウラノの部屋では、淺井裕介がバスタブの底に砂を沈めモチーフを描いた作品や左写真の立体作品など。hiromiyoshiiの部屋では、壁にかけられた絵画だけではなくベッドのシーツ、部屋のカーテンも作品でした。
今回、個人的に空間作りのおもてなしに心うたれたのは成山画廊でしょうか。部屋にはたくさんのユリの花が飾られ部屋中を甘い香りでつつみ、落ち着いた展示空間を演出するのに一役かっていました。ベッドルームに乱雑に置かれた書籍やおかしの箱、これと対照的なリビングルームの落ち着いた雰囲気の中にそっと飾られた絵画や立体作品。あと、お目にかかれませんでしたが噂に聞いた特製松井冬子チロルチョコレート…。
ART@AGNESは、例えばいつもとは違う今そこに流れる時間という、ちょっと特別な包装紙とリボンで作品をラッピングしてもらえるような、作品との特別な出会いを与えてくれる貴重なアートフェアのひとつであったのではないでしょうか。今回で最終回となったことはとても残念なことでした。