エモン・フォトギャラリー今展の『グラフィッチ』は、サンパウロのストリートアートを題材にしたモノクロームのドキュメンタリー写真。 壁画アートで埋め尽くされたサンパウロの街並。風刺画やポップアートまで奔放に描かれたペインティング。経済発展の裏側で様々な社会問題を抱え、色の洪水が唸りを立てる街。それがサンパウロだという。多くのストリートアートは、ざらついた神経の発散であるか無秩序の美学をパワーまかせに描きなぐっている。アカデミックな芸術の基準を否定するかのような無統治状態。スプレー缶を持てば誰もがアナーキストを気取る中、公文はKOBRAと名告るペインターに近づいていく。 クラシックなモチーフと写実的技法をミックスさせたKOBRAの描き方は、ペインターの中でも一際個性を放った存在だ。 一日の大半を描くことに注ぎ、一分一秒を両手に包み込むように慈しみ、没頭する。今日のこの日がすべて。風をつかまえておくことができないことと同じように、今、刻まれているこの時が永遠。そんな覇気とプライドが入り混じったリーダーKOBRAと仲間たちに迫っていく。
まだコメントはありません