国立新美術館ルネ・ラリック(1860-1945)は、19世紀末から20世紀半ばにかけて、アール・ヌーヴォーのジュエリー制作者、アール・デコのガラス工芸家として、二つの創作分野で頂点をきわめた人物として知られています。1900年のパリ万国博覧会、1925年のアール・デコ博覧会で国際的な脚光を浴びたラリックの作品は、工芸の価値を、絵画や彫刻などの純粋美術と同じレベルにまで高めるとともに、生活に新たな美意識をもたらすものとして異例の評価をうけました。21世紀を迎えた現在、そうした見解は改めて確証され、ラリックへの賞賛は日を追って高まりつつあります。
生誕150年を記念する本展では、国内外のコレクションから厳選された約400点の作品を一堂に集め、ジュエリー時代とガラス時代の二つの人生を歩んだラリックの創作の全容を紹介します。夢見るジュエリーから光溢れるガラスの空間へ、小さな手作りの世界から近代的な産業芸術へと広がりをみせたラリックの美の世界。それは、一本の鉛筆を手に、かつて誰も目にしたことのない美の輝きを一筋に追い求めた、一人の芸術家のイマジネーションから紡ぎだされたものでした。
グルベンキアン美術館秘蔵のティアラや、アール・デコ博覧会で話題となった野外噴水塔のガラスの女神像、蓮花のテーブル・セッティングほか、カーマスコット全種類などが出品される本展では、時代を駆け抜けたラリックの輝かしい創造の軌跡を、かつてない規模で展覧します。
[画像: 「ティアラ -雄鶏の頭-」 (1897-1898年頃) カルースト・グルベンキアン美術館蔵]
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