八王子市夢美術館平成十六年春、四半世紀にわたり大田区山王で活動していた財団法人富岡美術館は、財団法人を解散し、収蔵品のすべては早稲田大学會津八一記念博物館に寄贈されました。旧富岡美術館の収蔵品は、日本重化学工業株式会社初代社長富岡重憲(1896~1979)が一代で蒐集した作品八九〇余件と財団法人時代に寄贈・購入された十件の作品で成立っています。このうち三分の一ほどが東洋陶磁で、富岡氏は昭和二十年代、伊万里の色絵鳳凰文鉢からコレクションを始めたといわれます。また、氏は客人をもてなす時、客人に合わせて茶碗を選び茶を供したことから、高麗茶碗・和物茶碗はそれぞれ二十余碗、これに唐物茶碗を加えれば茶碗類だけで五十碗ほどになります。
この陶磁コレクションのもう一つの特色は中国陶磁で、新石器時代から清時代の作品がそろっています。中でも清時代の大型で多彩な単色釉陶磁の作品群は、わが国の昭和三十~四十年代に成立したコレクションとしては珍しいものといえます。加えて、日本陶磁では吉田屋九谷の寿亀図鉢や有田焼の作品も目を引きます。
東洋陶磁八十余件を展示する本展は、久しぶりのまとまった展示公開となります。中国・朝鮮半島・日本と作品が作られた風土の違い、時代による差異や共通性などへも思いを馳せながらご鑑賞ください。
ギャラリートーク
講師:浅井京子 (当館館長、元富岡美術館学芸課長)
6月9日(土)、16日(土)、30日(土)、7月7日(土)
いずれも15:00~(30分程度を予定)
講師:森孝一 (財団法人 日本陶磁協会主任研究員)
6月23日(土)、15:00~(1時間程度を予定)
【画像:「五彩婦人図盤」 古赤絵 明時代】
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