ベイスギャラリー伊賀は、おもちゃの人形を登場人物として家庭や社会の情景を描き出した作品により、近年高い評価を受けている写真作家です。 1999年には「キャノン写真新世紀」の優秀賞を受賞しました。
約 20点の新作を展示する本展は、ベイスギャラリーでは初めての個展であり、伊賀の初の作品集『Madame Cucumber 』(グラムブックス刊)の出版記念展ともなります。
伊賀の作品に登場する人形たちはチープでカラフルかつ無表情ですが、彼らが置かれた状況は深刻で苦悩に満ちた人生の一場面であり、現実の社会の姿そのものです。このギャップが、笑いを誘うと同時に、人生や現実社会が内包する虚構性・戯画性を容赦なく炙り出しています。対象を等価に「もうひとつの現実」として画面に定着してしまう写真の特性が、ここでは特に大きな効果をあげているといえるでしょう。
「 Madame Cucumber」の物語の主人公は女性であり、そこには伊賀自身の姿も色濃く投影されています。しかしその作品には、性別や年齢にかかわらず、私たちの誰もが社会の中で与えられた役割を必死で演じざるをえないこと、そこから生まれる孤独や悲哀、そしてそれらを笑いながら乗り越えていく強さまでもが表現されているのです。
オープニング・レセプション: 1月19日 (月 ) 18:00より
["New Periods", ライトジェットプリント, 60x90cm, 2006]
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